第4回「時代を斬る」報告

 9月5日に行われた第4回「時代を斬る」より、鈴木達夫の提起をダイジェストで掲載します。

0905

■「7・1閣議決定」から「8・17大集会」へ

 8・6ヒロシマ、8・9ナガサキ、そして8・17と転戦してきましたが、まさに怒りと激動の夏ともいうべき過程でした。

 今日からNATOの首脳会議がイギリスで開かれています。その直前、プーチンとウクライナの大統領の会談がありました。深刻な事態が進んでいる。ウクライナの東部では親ロシア派にロシアの軍隊が公然と加担し、軍事的優勢に転じているといわれる。このあたりは工業地帯、特に鉄鋼や石炭の産地で、ウクライナ鉄鋼の輸出が世界3位です。また、ウクライナの新内閣にはナチスを継承する超右翼が何人も入っています。
 EUとNATOが、ソ連圏崩壊後(1991年)東に延びていきました。その最先端の焦点がウクライナなのです。プーチンは「ユーラシア経済同盟」というもので旧ソ連圏の復活を目論んだ。そのなかでウクライナが経済的にも政治的にも決定的位置を占めていた。お互いが引くに引けない。テレビの映像でも、ドイツのメルケル首相とウクライナの大統領はしきりに密談している。「停戦合意」などNATOもアメリカも信用しないという軍事的緊張がいよいよ高まっています。

 8月17日、日比谷公会堂を満杯にする安倍打倒の歴史的大集会をやりきって、あらためて7月1日の閣議決定はなんだったのか捉え返したい。

 第一に、戦後史の転換・分岐点であるということです。

 閣議決定では「わが国の存立」を脅かすものに対しては、すべて「自衛の措置」として、武力行使つまり戦争をやるといっている。すべての戦争は「自衛」の口実で行われました。あのアジア侵略と対米戦争も「自存自衛」を掲げていました。「他国のための戦争反対」「海外で行う戦争反対」という人たちがいますが、どこで線を引くのか。たとえば、マラッカ海峡なんかは我が国の存立に直結するということになってしまいます。この論理に乗ってしまうと、7・1閣議決定の核心である、際限のない「自衛の措置」として戦争を肯定してしまうことにあります。

 先日、NHKの集団的自衛権の特集番組が放映されました。鳥越俊太郎氏が反対の論陣を張ったのですが、番組の最後になって賛成派から「もし尖閣に中国軍が攻めてきたらどうするのか」と問われて、「当然自衛隊に闘ってもらう」と答えていました。トンデモナイ! これでは安倍の思うつぼです。
 私たちは「戦争絶対反対」ではありませんか。戦争が「1%」の金持ち・資本家と支配者の利益ための戦争であり、労働者人民には国境はない、だから各国の人民が連帯して、戦争をする自分の国の政府を倒してしまう、ということを腹に据えないと、「自衛のための戦争」に絡め取られてしまうのです。ここが、7・1閣議決定をめぐる一番の論争点だと思います。

 二番目に、「戦後革命が強制した憲法9条『戦争放棄』」について

 敗戦の直後、日本国内とアジアから、侵略戦争の元凶でる日本帝国主義を許さない人民の決起が一斉に始まりました。「戦後革命」と呼ばれますが、日本でも本当に資本家支配が倒される直前のところまでいきました。街に赤旗が林立し、次々と職場に労働組合ができていく。読売新聞の労働者は経営陣の戦争責任を追及してストライキを続け、交通機関や電力の職場も労働者が支配権を握る。こうしてギリギリまで追い詰められた支配階級に、日本とアジアの人民が強制したのが憲法9条の「戦争放棄」です。

 その「戦争放棄」から、「戦争をする国」への大転換です。社会も経済も戦争に向けて一変し始めています。防衛省は空前の5兆5千億円を来年度予算に概算請求しました。この裏では三菱重工や川崎重工といった軍需産業が、「死の商人」として復活しています。

 三番目に、こうした情勢下での内閣改造です。「安定」「党内融和」内閣などとお追従をならべてる向きもありますが、実態は極右で固めた危機乗り切り内閣です。目玉の「女性5人の入閣」には、早速鋭い矢が。
 《女性は必ずしも女性の味方にあらず。おだいりさまを囲む女子5人ばやし。笛や太鼓はどちらに向かって鳴らす。(9/4『朝日』素粒子》

 この超反動内閣の背景には、すでにアベノミクスの崩壊が始まっていることへの恐怖がありますこの点を見透かす必要があるでしょう。

 被爆者の魂の叫びが発せられました。城臺さんは事前に原稿が決まっていたにもかかわらず、怒りで言葉が口をついて出たと話しています。被爆は過去ではなく常に現在の問題であり、被爆者の存在そのものに人間と核の問題の一切が凝縮していると思います。
 1968年佐世保エンタープライズ寄港阻止闘争の当時、私は日放労長崎分会の委員長でした。長崎の労働者市民にに「被爆地長崎にに原子力空母は入れさせない」というスローガンが一気に拡がっていく。あらゆる人々が決起し、空前の佐世保5万人集会を勝ち取り、機動隊と対峙し激突しました。当時の官房長官が「日本人の核アレルギーがこれほど深刻とは思わなかった」と言って敗北を認め、以降15年間原子力空母は日本に寄港できませんでした。

《「見解の相違」ですねと打ち切った 民への宣戦布告のやうに》

 これは9月1日の朝日歌壇に掲載された短歌です。7・1閣議決定は、文字通り「民への宣戦布告」なのです。この安倍政権への怒りが渦巻くなかで、真っ向から対決する歴史的大集会として「8・17日比谷公会堂集会」が開かれました「集会ははじめて」と言う方が非常に多かったことは、閣議決定に対してなにか行動したいという機運が広がっていることの現れでしょう。労働運動と国際連帯の力で戦争を止めようと「日比谷宣言」が発せられました。

 安倍を倒す力はどこにあるでしょうか。戦争は1%の金持ち・資本家と支配者の利益のためですから、その1%の利益に最も対立するのが労働者です。職場で彼らを追い詰めることが鍵です。言葉で言っても彼らはやめない。「戦争をする国」への転換に対して、国境や民族・国籍を越えた労働者の力こそが戦争を止めると全世界の人民に呼びかけたのが「日比谷宣言」です。

■ 社会の根底からの決起 すべてを11.2集会へ

 8・17は安倍打倒の出発点です。戦争は人々の記憶に刻まれ、継承されています。戦後史の転換点だからこそ、戦争を絶対に許さない心の底からの決起が始まっています。一切を11・2全国労働者総決起集会(日比谷野音)に集中し、労働運動を基盤とした力ある勢力として登場しようではありませんか。

 労働裁判をめぐって大反動がはじまっています。異例の時期に最高裁長官が替わり、東京地裁労働部裁判官の顔ぶれも変わりました。

 8月25日、動労西日本の訴訟の判決が出ました。地方労働委委員会でも中労委でも、「職場内で仲間にビラをまくのを処分するのは不当労働行為」という判断が出ているのですが、これを東京地裁でひっくり返したのです。
 3日には国鉄労働組合の組合員資格をめぐる判決がありました。解雇撤回を闘っている闘争団員の組合員籍を本部が奪ったことに対する裁判です。
悪辣きわまりない判決です。「企業との雇用関係がなくなれば労働者は組合員資格も当然に失う」と言う。ここには「蛇より狡猾な資本家」に対して団結して仲間を守り合うという労働組合の本来の趣旨は無視され、憲法28条や労働法制による労働者の権利保護もありません。

 こうした労働裁判の大反動のなか、勝負は決せられるのは、やはり職場の攻防です。JRでは相次ぐ外注化の結果、働く労働者の命と乗客の安全が脅かされています。あわや死亡事故寸前、という事態が何度も起きています。9月11日、郡山工場で外注化阻止の闘いが呼びかけられています。全国から全力でかけつけようではありませんか。
そして、改憲と戦争に反対する運動の総結集として、11月2日日比谷野外音楽堂へ!