戦争法案阻止とヒロシマ、ナガサキ、8・15へ(第11回『時代を斬る』での提起)

0724jidai

【1】戦争法案の衆院強行採決

7月15日強行採決の国会周辺は十万人集まりました。テレビ生中継でも11時を過ぎても「まだ集まってきています」。私の友人の弁護士も夜8時過ぎから駆けつけ、「詰めかけてくる人々ががらっと変わった」と言っていました。8時頃を境に「シニア」が引き上げ、入れ替わりで3~40代のサラリーマン、20代~10代後半の青年、学生が集まってくる。

例の「安倍談話」がどうなるのか。個人の談話になると報道されていますが、一気に改憲まで突っ走るという計画はズタズタになっている。

国会では、戦争法案の本質が議論されていません。本質的議論がまったくされていません。アメリカが経済と軍事あわせてアジアで中国対決政策をとろうとしている。しかし単独でやる力はもはやないので、日本帝国主義を動員する。他方、日本帝国主義としては、「アメリカを巻き込む仕掛け」(安倍政権の黒幕発言)、すなわちアメリカとの共同作戦の形をとりつつ、独自の勢力圏構築を狙った軍事に踏み出す。その点を曖昧にしているから、国会の論戦の焦点がどうしようもなく曇っている。

韓国ゼネスト ギリシャ 中国バブルの崩壊
韓国民主労総の第二次ゼネストが7月15日にたたかわれ、11月14日には全人民総蜂起が呼びかけられパククネ政権打倒の決戦に入っています。

ギリシャでは、政府の裏切りを乗りこえてストとデモが青年労働者中心に起こっている。青年労働者はTVニュースで「これ以上緊縮するというならわれわれは革命を選ぶ」と、はっきり言っていました。それにドイツの労働者が連帯デモに立ち上がっている。

中国バブルの崩壊が世界を揺るがしています。弁護士100人逮捕も。労働者農民のストと暴動が年間70万件起きているといわれます。そこに至らないまでも、行政機関への直訴が急増している。弁護士大量逮捕は、人民怒りのそうしたはけ口さえ封殺せざるを得ないほど習政権の危機は深い。

まさに、世界は「生きさせろ」のゼネスト情勢です。

【2】改憲阻止決戦の壮大さ

いま、戦争法案に反対するうねりの中で、戦後を生きてきた人々、また青年の未来にたいするあらゆる思いが噴き出しています。

改憲と戦争は、日本人民の「常識」の根底的転換を迫るもの。自分も自分の子どもも戦争で殺されるはずがない、今日があり明日も平和に生きられるという常識が根底的に揺さぶられている。

「戦後革命」―焼跡・闇市の街に赤旗が林立し、資本家が逃げ出し労働者が生産を管理している。読売新聞ストが象徴的です。、朝日新聞社の印刷所で「読売新聞」を出すという連帯ストも。私が、1967年当時、日放労長崎分会の委員長をやっているとき、NHKで読売争議への同情ストを闘った経験者がまだ職場におられました。

その「戦後革命」は日本の戦後史決定的な局面だった。そこで憲法が生まれていった。支配階級はぐらぐらになり生き延びるためには憲法9条とか、労働基本権や言論の自由を約束せざるを得ないところに追い込まれていた。

【3】 改憲阻止1000万署名運動

国会前や街頭で右翼や権力との衝突が始まっている。「日本会議」が国会前に動員されている。一方で自民党は、青年部の街頭宣伝が人民に取り巻かれて退散させられことから、しばらくはやめようと決めた。

安倍は参院審議で「自衛のための武力行使という点では国会で全員が一致するのだから、野党も対案を出すべき」と言いだした。共産党の「自衛戦争肯定、自衛隊の活用」方針などの足下を見透かした居直りです。「一切の戦争は自衛の名によっておこなわれる」ということを何度でも確認しましょう。戦争は1%の大資本・大銀行の利益をかけた「強盗どうし」戦争であって、人民どうしが殺し合う理由はまったくない、ということです。

この間、我々は、排外主義の源流は階級(労使)協調主義にあることをはっきりさせてきた。労使一体で国家のもとにとなり、国家どうしの対立に動員されていく。これは第一次世界大戦を、革命を起こすことで終わらせたロシアの労働者階級の工場の中における白熱した論議のなかで発見された真理です。階級的労働運動を自信をもって職場ですすめましょう。

「自国政府の打倒」と「国際連帯」という路線は、戦後的平和論、例えば非武装中立論などを越える極めてリアルな道筋ではないでしょうか。「戦争は別の手段をもってする政治の延長」。ですから人民どうしの不信や憎しみをつくり出し、煽る政治を許さない。そして、戦争をやろうという政府、安倍政権なら我々が、習政権なら中国人民が、それぞれ連帯して倒してしまう。これが戦争をとめるもっとも有効な唯一の道ではないか。

そのためには、労働組合の拠点をつくる。櫻井よしこらが、連合の「産業報国会」への転換を叫んでいる。UAゼンセンが旗振り役です。日教組や自治労が反戦の旗をふっているようでは産業報国会はできないから、彼らと分裂せよという。

この点からも、我々の1000万署名運動は、情勢に見合った方針だと思います。労働組合が主体の署名用紙をつくっています。あらゆる職場に持ち込んで行きましょう。

同時にこの1000万人署名運動は、櫻井らの改憲推進署名運動との対決です。

・沖縄・福島の怒りとともに、安倍政権を倒そう!
・労働運動をよみがえらせ、憲法改悪を阻もう!
・国境を越えた人々の連帯で、戦争を阻止しよう!

【4】ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ

被爆者の自己解放の闘いという視点が大事だと思います。私は、青年時代10年余り長崎で闘って、この街は必ず反戦闘争の先頭に立つという確信を持ちました。昨年の城臺さんの決起は、長崎の70年に及ぶ口惜しさ、不安、怒りの頂点で起きた。安倍の面前で当然の思いを述べ、それが世界を揺るがした。

被爆者の決起は、福島で起きていることとつながっている。常に現在形なのです。福島の問題で一番残酷なことは、甲状腺を切除した子どもたちは、毎日毎日薬を飲み続け、不安は1日として消えることはない、この口惜しさです。

8・6には櫻井よしこが広島にのりこんできて「反核平和70年の失敗」という講演会を開こうとしています。「抑止力としての核武装」などといいなしつつ、被爆者の70年間の「生き抜く」苦しさと怒りを「失敗」として踏みにじる。は絶対に許せません。

ヒロシマ・ナガサキ・フクシマの今年の課題について。
①核武装のための原発再稼働。この点は、ついに皆が見抜いた。なぜ再稼働を急ぐのか。世界は核戦争の危機にあります。NPT(核不拡散条約)検討会議を決裂させたのは、核保有国でした。

②帰還の強制。20ミリシーベルトを超えても帰還しろという、補償うちきり・避難住宅の契約解除がすすめられる一方で、子どもの甲状腺がんが127人、うち104人が手術をしています。普通100万人に1~2人といわれるのが、2800人に1人。それでも、安倍や御用学者は「原発とは関係ない」と言い続けています。

③常磐線全線開通に対決する動労水戸の闘い。なんとしても常磐線を開通させるというのは、動労水戸の闘いをつぶす目的です。人間の根源的生命活動である労働が、日々根本的にむしばまれる被曝労働、その拒否は世界史的な意義を持っていると思います。

④共同診療所 「避難・保養・医療」の原則が、内部被曝から命を守り抜きます。保養運動。今年は応募する福島の被曝者が多く、断らざるを得ないほどと聞きます。多くの青年がボランティアに志願しているのも特徴的です。

【5】千載一遇のチャンス

いよいよ8・6ヒロシマ、8・9ナガサキを経て、8月15日の東京集会(*)から延長国会に向けた闘いに入ります。「60日ルール」は、自動成立ではありません。再び強行採決をやらねばならず、敵にとっても決して楽ではない。

この延長国会から来年の参議院選挙、明文改憲攻撃の過程は、戦後史の決着をつける大決戦期です。労働者のゼネストを中心とした全人民の決起で、安倍の「戦後レジームの脱却」を一蹴し、人間が人間として生きられる社会への水路を切り開く。改憲阻止決戦の壮大さは、この社会の根底的転換が実現できる、ついに到来した千載一遇のチャンス。人民のなかに、絶対に引き下がるわけには行かないという決意がみなぎっている。これは60年、70年とは違う。私には、改憲阻止決戦は「勝てる」という確信が生まれています。ともにたたかいましょう。

《8.15労働者市民の集い 戦争法案阻止・安倍70年談話粉砕》
  ■特別報告 「戦争は国会からはじまる」西川重則さん(平和遺族会全国連絡会代表)
■韓国民主労総ソウル地域本部から

8月15日(日)正午 開場 すみだ産業会館(錦糸町駅南口「丸井」8階)